マンスリーレポート 第183号

10月のアークル

 朝晩だいぶ涼しくなったものの、本格的な秋の到来はまだ先のような感じがします。そんな残暑のおかげで、今年は昨年と違い8月以降の自販機の売上は今のところ好調です。しかしここ数年の気候の変動は明らかに、今までとは違います。台風の頻発、ゲリラ豪雨など毎年のように日本各地で被害が甚大な影響を及ぼしています。
 日本の熱帯化は確実にじょじょにやってきている感じがします。

 さて自販機業界の夏場最盛期はどうだったか、少し振り返りをしてみたいと思います。まず7月、天候不順で気温が上がらず、過去最悪と言っていいほどの売上を落としました。その反動か、8月は猛暑日が連日続き多少売り上げを取り戻します。そして9月も残暑が残り、売上はまずまず。しかしこの夏場最盛期3か月トータルは、7月の落ち込みをカバーすることは出来ず、昨年を割り込んで終わるという形になりました。これが飲料業界の一般的な状況だと思います。
まさに、マーケット飽和の飲料自販機業界は天候要因だけで実績が決まって行く様相なのです。

 さて10月期既にスタートを切っていますが、自販機業界ではメインの仕事がホットへの切り替え作業ということになります。この切り替え作業もここ数年で考え方が変わりました。今までは秋(9月~10月)1段回目の切り替えをする(コーヒーとお茶のホットを作る)、11月以降2段階目の切り替えをさらに行う(おしるこ、コーンスープなどのアイテム追加)。こんな感じで行われていました。

しかし昨今は働き方改革の労働時間短縮もあって、ホットへの切り替えは1回で済ませるのが一般的となっています。つまり10月以降1回の切り替えでホットは終わりにして作業量を減らしていくのです。

 秋冬はもちろん夏場に比べ販売量が落ち、その上ホットコラムは商品の管理上、満タンに詰めることもできません。つまり商品コントロールもやっていかなければならないので余計手間がかかるのです。その割には缶コーヒーの落ち込みなどがあって売上も低下傾向にあるのです。
 そういう意味では自販機の役割として、冬場のホット販売の役目が昔よりは薄らいでいるのかもしれません。

 ここ数年、冬場の自販機売上の落ち込みはかなりのものになってきています。私たちオペレーターもその落ち込みを抑えようと、自販機をいじり売り上げを何とか上げようと努力するのですが、その割の見返りが少ないのが現実です。つまり自販機は売れるときにはしっかり売る、売れないときそれなりに我慢が必要という感じになっているのかもしれません。
 例えば、地方の観光地などでは夏の間だけ稼働させ、冬の間は電気を止めてしまうような自販機もあるようです。冬期にあまりにも売れない場合はそのような措置も今後は必要になってくるかもしれません。

 このように考えると本当に自販機の役割を見直していかなければならないとともに、オペレーターも自販機だけフォローするだけでなくロケーションをしっかり見極め、自販機の必要性を認識できるようでなければならないのです。
 また保有台数の増減を価値基準とするのではなく、効率的フォローや収益率を考えながら運営していくのが、今後自販機オペレーターの課題となっているのは間違いなさそうです。
 現在の自販機マーケットは構造的に大きな問題を抱えています。それはマーケットは飽和・成熟しすぎて、売れるロケーションは飲料メーカー同士の取り合いになっていて、取引条件が高騰してしまっているのです。特に競争が激しいのが顧客が確実に自販機を利用する、工場や配送センターなど企業のインロケです。

 最近ではそれ以外に、アウトロケーションで売れるようなところまで、その条件競争は来ていて、自販機オペレーターは利益をあげるのが難しくなってきています。つまり飲料メーカーから協力がない限り、オペレーションが出来なくなっている現状が多々見られるようになってきているのです。

 一番の問題は販売価格で、定価の自販機ではまず売れない。
特に企業などでは福利厚生の意味合いから、ワンコインが前提などの自販機が多く、その時点で通常であればオペレーターはフォローするのが不可能になります。
 本来であれば、飲料メーカーは自販機の販売価格や取引条件の現状に合わせ、卸価格を下げる必要があるのですがそこには一切手をつける気はなさそうで、あくまでも場所を見てというスタイルをとっています。

 まともな方法では絶対に利益の上げられないマーケットで自販機オペレーターはどのような方法で商売をしていけばいいのか。自販機ビジネスが本格化して40年が経った今、大きな岐路を迎えているのは間違いなさそうです。
 そんな逆風吹き荒れる自販機オペレーター業界は本当に変わらなければならない時が来ているのです。

 同様に世の中には潮流が大きく変わろうとしている業界はたくさんあります。先ごろもアパレルの”オンワード”が600店舗閉鎖という記事が新聞紙面を飾りました。ファストファッションの雄「フォーエバー21」も倒産。消費税値上げと携帯ゲームでゲームセンターがどんどん閉鎖している、などすべてビジネス環境の変化に起因しています。これらの変化は一気に来るわけではなく、じわじわと真綿で首を絞めるようにやってきます。永続的に商売を続けたいなら、自分たちが変わらなければならないのです。これは誰も教えてくれるわけでなく、自分で感じて実践していくしかありません。

 自販機業界は、今までのように自販機を増やせばいいという発想はやめるべきだと思います。考え方は自販機の個別管理です。1台1台の状況把握、作業の効率化、場所に合わせた最適自販機など、自販機オペレーターのおかれた状況に合わせた発想が必要になっています。
 また自販機にペイ機能や通信機能を持たせることなど、ハード面での充実化も 急がれます。

 そんな自販機業界ですが、私たちはそこから逃げるのではなくしっかりこのビジネスと向き合い、将来の永続のために投資もしていこうとコミットしています。
地場で必要とされる自販機オペレーターとなるべく、今後も精進していかなければならないと思っています

楽天証券セミナー2019 秋

 竹中平蔵・令和時代の経済政策

 毎年、年2回、1月と8月に開催されている、楽天証券セミナー、今年の8月開催はなく、この10月に品川の高輪プリンスホテルで開催されました。夏の会場はいつも両国国技館でやっていたので、随分と規模感が小さくなったのではと思っていましたが、案の定会場が小さすぎて人があふれていました。さては楽天証券、会場選定ケチったのか?

 いまや証券会社のトップグループに入るような楽天証券でさえ、昨今の金融不況 を食らっているのかと、思ってしまいます。それがセミナー冒頭の社長のあいさつに表れていました。社長は必ず最初の挨拶時に、日本の株式市場の買い手のグラフを指し示し、いったい誰が日本株を買っているのかをレクチャーします。買い手は外国人か個人投資家。そのどちらが買っているのでしょうか?今年日本株を買っているのは実はそのどちらでもないのです。外国人・日本の個人投資家ともに売り越しです。それでは誰が買っているのかって・・・・そうです!日銀なのです。

 つまり日本株を買い支えているのは、日銀の緩和マネーということになります。
 ちなみに、日本の金融緩和は私たちが想像しているよりも大きなものになっているようで、10/9の日経新聞に日本の「影の金利」はマイナス7.7%という記事がでました。「影の金利」とは政府の国債の買い入れなど量的緩和も利下げとみなして算出する指標だそうで、実際の金利(マイナス0.1%)と大きくかけ離れた数字になっています。

 もし日銀がETFなど日本株の買い支えをしなかったら、日経の平均株価はどこまで下がっているのだろう?想像するだけで恐怖を感じてしまいます。それを如実に感じるのがここ数か月の相場です。例えば前日NYが下落して、その影響で前場で下落するも、後場になるとなぜか相場は回復し、終わってみればわずかな下げで済んでいるというような日が随分とあった気がします。間違いなく日銀マネーが入っている事がわかります。

 すいません、随分と前置きが長くなってしまいました。
 半年ごとに竹中さんの話は、必ず聞いているのですが(このマンスリーでもレ ポートしています)、内容は大体同じような内容で「世界的に変わる環境変化に 対して日本はどうあるべきか」という内容になります。それにはどうしても政治 の話もつきまといます。竹中さん自身安倍首相と親しい間柄のようなので、現在の日本、そして目指すべき日本の姿ということを実際に話し合っているのでしょう。
 そんな中で、投資家はどう動くべきか?また会社経営者は自分のビジネスをどうすべきか?など参考にしていけばよいと思っています。さてそれでは今回の内容をレポートいたします。

 まずは冒頭政治の話から・・・
この話は、安倍首相の任期がどうなるのか、という話からです。ちなみに首相=自民党総裁で、今までは自民党総 裁は党の規約で2期6年と決まっていたのを2年前に3期9年と変えました。現在、安倍首相は戦後最長の首相です。

現状の安倍1強の中で自民党総裁任期を4期12年とさらに延長させようという動きがありましたが、竹中さん曰く安倍さんは4期はやるつもりはないと言います。
 これは9月の組閣をみればそれを意味していることがわかるのです。竹中さん曰く「味わい深い内閣」という表現を使って、次世代のバトンタッチを考えている布陣となっています。

安倍さんと親しい間柄
文部 萩生田 光一 (初)、経済 菅原 一秀(初)、法務 河井 克行(初)

次の総理候補
岸田政調会長、下村選挙対策委員長、茂木外務大臣
加藤勝信厚生大臣、河野太郎防衛大臣
小泉進次郎環境大臣、菅義偉官房長官

 しかしもしこれが安倍さんの最後の内閣だとしたら不思議なこともあります。それは内閣最後のほうは大きいことはやらないのが通常で今ま でやり残したことをやっていくのが普通なのだそうです。しかし安倍首相が掲げているのは「憲法改正」と「社会保障改革」。安倍内閣の行方はどうなる?

政治から経済の話へ

 令和元年を迎えました。元号での日本経済の変動を見ていきましょう。
 昭和、これは「激動の時代」。戦後焼け野原からの復興・高度経済成長・石油ショックから立ち直り・バブル。そして平成、これは「激変の時代」。そして令和は「激震の時代」になるのでしょう。
 激変の時代・平成とはどんな時代だったのでしょうか?まず日本の人口。平成元年と令和元年を比較した場合人口は12700万人と、ほぼ一緒、しかしその間世界はどうだったのでしょう?アメリカは人口30%増、イギリスも15%増。これは優秀な人材の取り込み競争の結果です。日本はその競争に対して全く背を向けてきました。スティーブジョブズの父親はシリア人です。ジェフベゾスの養父はキューバ人と今をときめくGAFAは移民やその子供たちによって運営されているのです。現在の日本には移民法という法律はまだありません。相変わらず移民政策に背を向けている我が国なのです。

 逆に平成の30年間で大きく変わったのは労働時間と貯蓄率です。労働時間は20%減り、貯蓄率は3%と先進国の中では最低レベルまで落ちてしまいました。「長時間働いて貯蓄率が高い」という日本は今や過去のものになっています。

 この30年で強くなったところもあります。それは東京都心の都市 開発です。1995年にバブルが崩壊してから、都心回帰がおきたのです。日本橋・銀座は三井不動産、大手町・丸の内は三菱地所、六本木・赤坂は丸ビルというようにゾーンでの競争が始まりました。
よって、東京はコンパクトシティーの連なる街となったのです。外国人にとっては非常に面白い街になりました。また世界の都市に比べ高速道路が空いている、そして地下鉄が整備されている。今では世界の都市ランキングで第3位となっています。

 さて平成の最後10年間で大きな変化が起こりました。それは第4次産業革命です。この第4次産業革命は2011年、ドイツのハノーバーメッセでドイツ政府が出したインダストリー4.0がもとになっています。そんな中で、2012年人工知能の面で大きな進歩がありました。それはディープラーニングの実用化です。コンピューターがデータを自分で認識して自分で学習していくようになったのです。それによって顔認証システムなどが現代では普通に使われるようになりました。
 このようなデジタル社会になると今まで優勢を極めていた会社が一気に営業基盤を失うような可能性があります。そして若い人がぽっと作った会社が巨大企業になるような時代になったのです。それは実際に今起きているのです。

今起きている重要な5つファクター。
1 AI(人工知能)
2 ロボット(ドローンなど)
3 IOT
4 ビッグデータ
5 シェリングエコノミー

 ビッグデータについて少しお話をします。
2007年にスマホが世に出ました。これは「電話という名のデジタルネットワークの入り口」だったのです。
 企業がデジタルマーケティングを活用するのとしないでは、大きなが差が出ます。これを利用して大きくなった会社に「Sansan」という会社があります。名刺管理の会社で、名刺を管理することによって人それぞれのビッグデータをAIに管理させ、人事管理をしていきます。Aさんは三菱系に強い、この人は営業系に強い。この人は財務に強い、この人は今名刺の数が増えている、だから営業頑張っているなど、そしてそれらを利用して転職のあっせんをしていく。まさにビッグデータを活用をうまくやって伸びている会社なのです。

 このようなデジタル社会になると今まであった職業の半分がなくなるとよく言われます。これは大問題だという人もいますが、アクセンチュアというコンサルティング会社は煩わしい仕事がなくなって、人間が本来持っている企画やアーティスティックな付加価値の高い仕事がより出来るようになり、生産性は今より3倍になると言います。

 第4次産業革命は今、高次元になってきています。先頃、私は中国のアリババの本社を訪ねました。本社の入り口には巨大なスクリーンがあって杭州市の交通情報が表示されています。これは杭州市の交通情報をビッグデータとして集め、AIが交通信号の最適化を行っているのです。これによって混雑率を20%軽減し、救急車の到達時間を今までより半分にしました。このように都市空間をAIによって管理するのを都市ブレーンと言って、このシステムをアリババは販売しているのです。すでにマレーシアのクアラルンプールと契約したそうです。また車の自動運転を実現するためにも必要なシステムなのです。

 中国では雄安という都市を未来都市として開発しています。そのほかにもヴァーチャルシンガポール、スマートドバイ などAIで管理する都市構想があるのです。日本でもスーパーシティーを実現させようと構想があります。スーパーシティーとはその町では自動運転OK、ライドシェアOK、すべてキャッシュレス、遠隔手術もOK、そしてワンスオンリー(転入出は一度の届け出でOK)を実現させる都市なのですが、これには規制緩和が必要で、そのような法律を作らなければなりません。この法案を以前、国会に提出しましたが、色々あって廃案となってしまいました、しかし今回の臨時国会でまた提出されたのです。これは非常に大きな意義のあることだと思っています。

 ビッグデータを活用するのに「個人情報保護」という大きな問題があります。ドイツではすべての車にGPSをつけ、高速道路を走った分だけ料金を払うシステムが施行し始めました。しかしこれは同時にその人の行動がすべてわかってしまうことにもなります。データのプラットホーム利用は非常に便利になる反面、個人のプライベート情報がわかってしまうという欠点もあるのです。

 今後世界経済はヨーロッパ、日本を中心にスローダウンしていくことでしょう。そこで日本の補正予算を含めた景気動 向は要注目といったところでしょう。またIR(カジノリゾート)も注目でこれは1兆円プロジェクトと言われています。このIRとスーパーシティーを組み合わせたら非常に経済効果は高いのではないでしょうか。

 さて大きなチャンスとリスクを背中合わせになったこの令和の時代。投資家の皆様にはこの変化をうまく投資に結びつ けていただければ幸いです。

以上が今回の話をまとめた感じです。
皆さんいかがでしょうか?

 私個人的には日本は今後移民政策をとっていかない限り、成長は望めないと感じています。日本人は出てきた新しいアイデアを活用したり、モノを精密に作っていくのは非常に優れていると思います。
しかし創造力という部分ではやはり世界から遅れをとっているような気がします。竹中さんの話しにあったように世界から優秀な人材を集め、新しいアイデアを実現させられるような経済的土壌ができればいいなと感じています。
 それにはこれから、香港やシンガポールのように幼児からバイリンガルでしゃべれるような教育も進め、文化の多様化も良しとする土壌が根付く事が重要だと思っています。

 デジタル社会は今後ますます私達の身近な存在になるのは間違いありません。そのメリットをしっかり享受し活用でき るように、私自身も頭を柔らかく柔軟的であらねばと思うのです。

 100年後はどんな世の中になっているのだろう?生きてはいないけど想像するとわくわくします。

先月の売れ筋商品ベスト5(各社)

こだわり
  • 1位 ポッカスポーツウォーターP
  • 2位 あなたのお茶500P
  • 3位 モーニング
  • 4位 ミラクルボディ500P
  • 5位 ファイア微糖
ダイドー
  • 1位 Mコーヒー
  • 2位 新おいしい麦茶
  • 3位 ブレンドコーヒー
  • 4位 無糖珈琲 樽
  • 5位 ミウ水550P
サントリー
  • 1位 ペプシコーラロング缶
  • 2位 ボス Wインパクト微糖
  • 3位 ビッグボスカフェ350缶
  • 4位 南アルプス天然水サイダー490P
  • 5位 グリーンダカラ500P
アサヒ
  • 1位 十六茶麦茶600P
  • 2位 カルピスソーダ500缶
  • 3位 富士山水600P
  • 4位 カルピスソーダ430P
  • 5位 ポカリスエット500P

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